今回の記事は、あまり参考にならないかもしれません。
私、もえびとの覚え書きのような内容です。
「もえびとがシナリオを書く時、どんなステップで書いているのか?」
を掲載していきます。いつもに比べて文字数多めです。
私はこれまで、クトゥルフ神話TRPGのシナリオを30本ほど書いてきました。
その中で詰まった事、解決策、心がけている事など、赤裸々に話していこうと思います。
少しでも参考になれば幸いです、是非最後までお読みください。
1.キャラクター作成
私はキャラクターを作る際、とにかくインプットします。
100%オリジナルで作品を作るという事は、凡人には不可能です。
そして私は凡人です。
だから、他の作品に頼る事にしています。
もちろん、パクり、悪い意味でのリスペクトは悪い事です。
しかしながら、ある作品に影響を受け、自分で考えた上で作り出すのはキャラクター作成だけでなく、シナリオ制作において大切な事だと思います。
具体的な話をしましょう。
アニメ、漫画、ゲーム、映画、何でも良い
世の中には大体のジャンルの物が揃っています。
自分で書きたいジャンルを決めて、そのジャンルの本を読み漁る事もあれば、
たまたま見てた映画のキャラクターが魅力的で、NPCに反映させたいと思う事もあります。
見ていたアニメの声優さんのお芝居が素敵で、自分もそんなロールプレイがしたい、と思ってキャラを作った事もあります。
大切なのは、その作品を見て「自分が何に感動したのか」「自分はどう思ったのか」
そこから、「自分ならどうするのか」を考える事です。
評論家になれ、という話ではありません。
「自分なりのその作品」を作れば、それはオリジナルになり得ます。
パクリとモチーフの差
キャラクターを作る際、モチーフとなるキャラクターが存在します。
それは意識的でも、無意識的でも。
具体例を挙げると、『SISTERS』というシナリオで登場する、「城鐘 陽(しろがね あきら」「逆位 月子(逆居 月子)」の二人。
この二人は、「美少女戦士セーラームーン」に登場する「天王はるか」「海王みちる」をモチーフとしています(更にははるかとみちるがモチーフのプリキュア二人)
このキャラクターを作る為、私はセーラームーン全巻、プリキュア二人の登場回を全て視聴しました。
そこから、「どういった考えの持ち主なのか」「行動指針は何なのか」「二人の関係のどこに魅力があるのか」を分析し、キャラクターとして作成しています。
口調や見た目、名前などを「そのまま流用」してしまえばそれはパクリです。
しかし、一度自分の中に取り入れ、噛み砕き、考え抜いた上で出した結論はオリジナルとなります。
インプット→整理→アウトプットの順でキャラクターは出来上がるのです。
2.シナリオの作成
私のシナリオ作成のパターンは、大きく分けて3種類あります。
- テーマを決めて作成する
- キャラクターから作成する
- ジャンルから作成する
このセクションでは、各項目それぞれお話ししていきたいと思います。
1.テーマを決めて作成する
ドラマチックなシナリオを作成する際、最も成功率の高い作成方法です。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」「本当の自分とは何なのか?」など小難しい事がテーマとなっている事が多いです。
わかりやすく言うと「その作品を通じて、何を伝えたいのか」です。
ここで最も重要なのは「自分の中に結論が出ているテーマ」で書き始める事です。
結論が出ていないテーマはふわっとしたまとまりの無い作品になります。
例えば「なぜ人を殺してはいけないのか?」
様々な理由はありますが「法律で決まっているから」という理由ではシナリオを作成できません。
「悲しむ人がいるから」でもまだ弱いでしょう。
「人を殺すと、いつか自分に帰ってくるから」「そもそも人を殺したいと思わないから」
など、多角的な視点で発想する事で、シナリオに盛り込めるようになります。
そして、テーマを決める1番のメリットは、「プレイヤーさんの心を動かせる」事にあります。
このテーマを押し付けるのではなく、「私はこう思う。プレイヤーさん、あなたはどう考える?」と、
ゲームを通じて話が自然と出来るのです。
その人の価値観が強く反映されるのがクトゥルフ神話TRPGの特徴でもあります。
テーマを決めてシナリオを作成すれば、少なからずプレイヤーさんはそのテーマについて考えてくれます。
だから、心が動くシナリオになり得るのです。
2.キャラクターから作成する
最初のセクションでキャラクター作成の方法についてお話しました。
私が作ったキャラクターはそれぞれ生きています。
ちょっと宗教的な言い回しですね(笑)
「どのように考え」「こんな時はどうするか」が全て決まっているのです。
(もちろん、状況により変化はします)
その為、そのキャラクター自信が起こす事件や、イベントシーンが浮かびやすいんです。
イベントシーンは、言わばパズルのピースのようなもの。
集まる事で、一枚の大きな絵が完成します。
一人のキャラで行き詰まった時は、もう一人追加してどういう絡みになるか、など考えたりもします。
3.ジャンルから作成する
私は大正時代のシナリオを作成する事にハマっています。
「大正時代」というものも大きなジャンルの一つなのですが、そこに「女学院」「吸血鬼」「特別高等警察」など
様々な小ジャンルを組み合わせてシナリオを作成する事が多いです。
例えば「吸血鬼」
「ノスフェラトゥ・ラプソディ」という舌を噛みそうなシナリオ名の作品があります。
これは、横須賀に住む吸血鬼のお話です。
このシナリオは、まず「吸血鬼」のジャンルを書きたいと思った所からスタートしました。
幸い、「月姫」「ヘルシング」「悪魔城ドラキュラ」など吸血鬼関係の作品に触れる機会が多く、吸血鬼がどんなものかは何となく知っていました。
しかし、それではシナリオになりません。
ではどうしたか?
「偽物の吸血鬼」を登場させたのです。
吸血鬼が悪者で、その悪者を退治する、という作品はよくあります。
しかし、先ほど名前を挙げた三作品は全て、「吸血鬼が味方にいる」作品です(悪魔城は月下の夜想曲)
「吸血鬼」というワードでルールブックを読んでいると「星の吸血鬼」たる神話生物を発見しました。
当時の日本は帝国海軍の力が強く、今よりも軍部が明らかでない状況でした。
その為、「星の吸血鬼」を「海軍が軍事利用しようとしている生物」にし、「街に被害」を出し、
「本物の吸血鬼が迷惑している」という構図を思いついたわけです。
大正時代という大ジャンル、吸血鬼という小ジャンル、そして神話生物、
この三つが組み合い、シナリオとなりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「これだけ?参考にならないんだけど」と思われた方もいるのでは無いでしょうか。
実は、1記事にまとめる予定だったのですが、熱く書き過ぎてしまいました。
このままだと文量が多く、読み辛い記事になるので、次回に持ち越します。
もしよろしければ、またお付き合い下さい。
まだまだお伝えしたい事はあります。
具体的に書く順番、どういうツールを使ってるか、完成後の修正方法etc...
もし、「ここが気になる」という項目がございましたら、コメントお待ちしております。
後々Youtubeでも動画として公開する予定ですので、そちらもお楽しみに。