皆さんは、「エースコンバットシリーズ」をご存知でしょうか?
戦闘機のパイロットとなり、自由に大空を駆け回る。
「ドラマチックフライトシューティング」として多くの方に今なお楽しまれているシリーズです。
今回は、そんなエースコンバットシリーズの3作目、「エースコンバット3 エレクトロスフィア」についてお話をしたいと思います。
世界観やストーリー等などは、Youtubeにて紹介しているので、そちらをご覧ください。
(現在準備中)
[toc]
SFかつ「アニメ的」なストーリー
エースコンバットシリーズは、「映画のような」ストーリーが評判の作品です。
しかし、本作「3」は、「アニメ的な」ストーリーと評される事が多くあります。
その理由は二つ。
1つは、アニメーションムービーを多く採用している点。
他作品では、戦闘機がメインのムービーが多かったのですが、本作では「人物」を中心にしたムービーが非常に多いです。
また声優陣も超豪華。
(余談ですが、CV保志総一朗で「レナ!!レナ!!」と連呼するのは心臓に悪かったです笑)
もう一つの理由は、脚本家が「佐藤大」さんであること。
佐藤さんは、以下のような作品を手がけています。
「カウボーイビバップ」 舞台設定、脚本
「攻殻機動隊 STAND AOLONE CONPLEX」脚本
「交響詩篇エウレカセブン」シリーズ構成、脚本
「マクロスプラス、F」挿入歌作詞
これぞSF!という作品の中心人物として関わっているんですね。
ちなみに、アニメーション部分は「Production I.G」が制作。
ご存知の方も多いと思いますが、「攻殻機動隊」や「PSYCHO-PASS」を制作されている会社です。
アニメ的表現は全て仕組まれていたんですね。
ちなみに、ストーリーだけでなく世界観もかなり作り込まれています。
例を挙げると、超高性能戦闘機「ナイトレーベン」を操縦するには、従来のENSI規格(エステバリス的な)では制御できず、
より高度な神経伝達が必要だった。その為、オプトニューロン(オルフェンズの阿頼耶識システムに近い)を作り出し、移植手術を実施。
適合した少女は首から突き出たケーブルを接続する事により、翼を手に入れた。
といった内容があります。全国のオタク君たち、こういうの好きでしょ?僕も好き。
すべては"ゲーム"のために
このような設定モリモリの作品は、往々としてプレイヤーを置き去りにしがちです。
ですが、本作は非常に高い評価を得ています。
その理由の一つは、ディレクターの岩崎拓也さんのお考えにありました。
シリーズファンの方に【気持ち良く裏切られた!】と思ってもらえるよう「とにかく新しいモノを作ろう!」とスタートした本作。
HUD(色々なデータが表示されるアレ)は、シリーズ一の作り込みと言われる程の内容で、戦闘機の挙動も当時のゲームではあり得ないレベルの作り込みでした。
作り込みはオブジェクトだけではありません。
録音台本は3冊分、シリーズ最多のミッション量、数々の分岐。
そんな大量のアイテムを抱えた中で、岩崎さんは【"遊ぶ"事で「自分が存在している感覚」を味わえるよう、いつも心がけていました】と語ります。
【主人公が、プレイヤーの気持ちから離れて一人歩きしないように…。】
【登場人物は、いつでもプレイヤーに語りかけてくれるように...。】
【シナリオも、世界観の構築も、すべては"ゲーム"のために用意するモノです。】
本作は、ゲームであり、映画やアニメではありません。
画面の前にはプレイヤーが居て、そのプレイヤーは必ず操作をし、ゲームを遊びます。
当たり前の事と思われるかもしれませんが、基礎的な事に最も気を配ったからこそ、本作は絶妙なバランスで名作として成り立っているのだと思います。
CD4枚分のデータ!?
本作は、CD2枚組のゲームとして発売されました。
しかしながら、そのデータ量はCD4枚分に相当したそうです。
アニメーションムービーやディティールの細かい戦闘機がこれでもかとつめこまれていますからね。
このお話は、チーフプログラマーの小池利幸さんがお話されていた内容です。
通常のゲームデータですら、前作「2」の3倍になるデータ量。
それに加えてアニメーションの追加、フルボイス化etc...
何とか圧縮しても、データはCD2.4枚分だったそう。(この時発売二ヶ月前)
完成したのはなんと発売の3週間前!
しかもCDを2枚にしただけでなく...
「ロード時間がほぼ皆無」という特典を添えて。
筆者はこのゲームを2021年にプレイしました。
当時最新作である、エースコンバット7(PS4)を遊んだ後にプレイしたのですが...
「操作感が同じだ...!」
コントローラーを持つ手が震えました。(デュアルショックとかではなく)
さすがにアナログスティックの反応や、フレア、ハイGターンなどシステム的に未実装な部分も多いですが、感動するポイントは全く同じでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は裏話が多くなりましたね。
濃密な世界観を構築した「佐藤大」さん、
その世界観を、プレイヤーにマッチさせた「岩崎拓也」さん、
大量のデータを、2枚のディスクにまとめあげた「小池利幸」さん。
多くの方の努力と創意工夫により、この名作は生まれました。
記事を執筆している現在では、まだプレミア価格にはなっておりません。
見かけた際は、是非お手にとってみてはいかがでしょうか。
気になった方は以下から購入する事も可能です。
このシリーズでは、「レトロと呼ぶには抵抗あるけど、最新ハードじゃ遊べない」
そんな、「セミレトロゲー」を紹介しています。
動画では未プレイの方に向けた紹介を、記事ではクリエイターさんの裏話などを中心に紹介していければと思いますので、
是非ご覧ください。
他の記事は現在準備中、完成次第紹介します。
【】内の言葉は、エースコンバット3公式サイト、「開発者リレーエッセイ」より引用しています。
https://www.bandainamcoent.co.jp/cs/list/acecombat3/relay-essay/index.html