近頃話題に上がる「F90」
映像化されていないこともあり、意外と情報が少ない場面の一つです。
そこで今回は、F90において中心的な計画である「フォーミュラ計画(F計画)」についてお話ししていきます。
フォーミュラ計画(F計画)とはサナリィの小型MS開発計画の一環
フォーミュラー計画(以下F計画)とは、サナリィの小型MS開発計画の一環である。
F計画にて完成した「F90」は、当時非常に画期的な性能を示し、課題とされていた「単にスケールダウンでない、小型かつ性能向上」に成功した数少ない機体だったんだ。
開発担当のグッテンバイガー教授によると、MSの原点に戻る事を意識したらしい。
今回はF計画の代表MSとも言える「F90」を中心に話を進めよう。
新たな武装:ビームシールド・ヴェスバー
機体が小型化するということは、その分ジェネレーターの出力に余裕ができるというわけだ。当時の開発者は既にこのことを知っており、F90にはビーム・シールドが採用された。
また、実装は遅れたものの当初から「ヴェスバー」の構想はあった。
ヴェスバー、正式名称「Variable Speed Beam Rifle」、直訳で速度可変型のビームライフルといった具合だな。
ヴェスパーはその名の通り、高速で貫通力に優れたビームと、低速で破壊力のあるビームに打ち分けることができる。最大出力時は、戦艦の主砲クラスの威力になりビームシールドをも容易く撃ち抜いた。
余談だが、一年戦争時の「RX78 ガンダム」も戦艦の主砲と同等の威力のビームライフル、と言われていたが、ヴェスバーはU.C.100年代時点での戦艦の主砲だ。当然威力は桁違いである。
マイクロハニカム技術と多機能装甲
マイクロハニカム技術は、機体の小型化のために開発された材質だ。
ミノフスキー粒子の立体格子に沿い、金属の結晶を成長させることにより強度を上げつつ薄くできることで大幅に重量が軽減した。
さらに、ムーバブルフレームに代わり、MCA:多機能装甲が採用された。構造材自体に電子機器を埋め込むことで、装甲そのものをコンピュータにしてしまおうという大胆な構造だった。
実はこのMCA技術はサイコフレームの開発段階で得た技術の応用である。
サイコフレームについて詳しくは別の記事で解説しよう。
ミッションパック
F90を象徴する装備こそ、ミッションパックだろう。
AからZ、あらゆる戦局に対応できるよう合計「26」のミッションパックが用意された。
ちなみに各パック5分での換装が可能とのこと。
これらの技術を踏襲され、「F91」に繋がるわけだが…その辺別の機会にお話ししよう。
まとめ
今回はF計画についてお話ししました。最後にポイントを振り返りましょう。
- F計画とは、サナリィの小型MS開発計画
- 新たな武装が開発され、「ビームシールド」や「ヴェスバー」が実用化されていく
- マイクロハニカム技術と多機能装甲により防御力と処理速度が上がった
- F90にはミッションパックがあり、A〜Zの26のパックを5分で換装可能
F計画を行ったサナリィについては以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
-
サナリィとは?小型MS開発になぜ成功したのか【ガンダム企業解説】
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今回の講義はここまで。また次回、会いましょう。
参考文献
- 皆河有伽.ガンダム事典Ver.1.5.講談社.2009年
- 富野由悠季.あおのじゅんじ.機動戦士ガンダムF91プリクエル.株式会社KADOKAWA.2020年