EXAMシステムとは、ブルーディスティニーに搭載されているシステムで、対ニュータイプ兵器として運用されていました。
しかし、どういった仕組みで発動するか、なぜ暴走したかは意外と知られていないと思います。
そこで今回は、ガンダム歴25年以上のガンダムオタク「もえびと」が設定資料を元にEXAMシステムについて解説させていただきます。
EXAMシステムとは対ニュータイプ兵器の一つ
EXAMシステムは元ジオン軍の「クルスト・モーゼス」博士により開発されたシステム。クルスト博士は、ニュータイプがオールドタイプを滅ぼすという強迫観念めいた持論に取り憑かれていた。
そうした博士の背景を元に開発された対ニュータイプ兵器であり、ニュータイプを裁く(Examination)ものとして「EXAM」と名付ける。
ブルーデスティニーに搭載されており、通常のコアユニットと、量産試作型の「オルタ」が存在した。
次に、EXAM発動の仕組みと暴走の原因を見ていこう。
EXAMシステム発動の仕組みと暴走する原因
EXAMシステムが暴走する原因は、そもそもそういうプログラムが施されていたからだ。説明のために、EXAMの仕組みを説明しよう。
EXAMは以下の流れで発動する。
- サイコミュを応用したモニタリング・ユニットによって戦場の脳波をキャッチする
- 自機に対する殺気を検出し、リアルタイムで敵機との距離・脅威・武装などを分析する
- 最適な回避行動・攻撃行動を導き出す
- EXAMのパイロットが「オールドタイプ」と思わしき操作しかできない場合、システムが発動して自動制御に映る
この4番目がパイロットからは「暴走」と見えるわけだ。実際はEXAMが演算しオートパイロットモードで動いているということ。
ただし、EXAMには更にもう一段階ある。受信した殺気が「ニュータイプ」のものだった場合だ。
ニュータイプの感応波を受信したEXAMは以下の行動に出る。
- OSを介して熱核反応炉・推進系のリミッターを解除する
- パイロットへの負担を無視し、最大限の稼働をしニュータイプを殲滅する
過去にパイロットが死亡してしまった事態は、このニュータイプの感応波に反応したことによる。
EXAMシステムにはマリオンの感応波が使われている
開発していたモニタリング・ユニットでは、ニュータイプの脳波を特定できなかった。そこで、心神喪失状態に陥っていたマリオンの感応波を利用することとなる。
マリオンが事故の際感じ取った「殺気」を判定基準としてEXAMのシステムに組み込む。そして記念すべき第一号のEXAMシステムが「イフリート改」へと搭載された。
しかし、実装から間も無くクルスト博士が地球連邦軍へ亡命する。これは博士が「ジオン軍のMSではEXAMの性能を十分に発揮できない」と限界を感じたためだ。
そして博士はEXAMユニット3基と共に地球連邦軍にて「ブルーディスティニー」の開発に携わる。
EXAMシステム搭載機とパイロット一覧
EXAMシステムの搭載機とパイロットを見ていこう。
イフリート改
元々イフリートという機体がジオン軍で作成されており、当時最新鋭の陸戦型MSであった。機体構造の余裕があり、カスタマイズが容易、近接戦闘に特化した機体であったなどEXAMシステムとの相性が非常に良かった機体だ。
そうして、頭部にEXAMのコアユニットを装備することでイフリート改は完成した。パイロットはフラナガン機関所属のテストパイロット、ニムバス・シュターゼンだ。
ブルーディスティニー0号機
クルスト博士が亡命し、最初に作られたブルーディスティニー。陸戦型ジムをベースとしており、イフリート改と同様頭部にEXAMシステムのコアユニットを搭載し、一旦の完成を見た。
しかし、テスト段階になり故障が多発。システム発動時の負荷に機体が耐えられなかったのだ。
より強力な機体への搭載が必要だと判断され、「陸戦型ガンダム」に白羽の矢が立つ。
ブルーディスティニー1号機
ブルーディスティニー1号機は陸戦型ガンダムをベースに作成された。パイロットはユウ・カジマ。
キャルフォルニア・ベースにてミサイル基地破壊の任務に就くなどし貢献したが、ジオン軍のイフリート改と交戦、相打ちとなり大破となった。
ブルーディスティニー2号機
宇宙世紀0079 11月、1号機の試験運用が進められる中で、実働データを活かしつつ2基のEXAMユニットを用いて2号機、3号機の開発が進められた。
頭部ユニットは陸戦型ガンダムのものが採用、ランドセルに空間戦闘用のユニットを装備し、宇宙空間での運用も可能となった。
2号機に搭載されたEXAMシステムにはリミッターが装備されておらず、暴走リスクが非常に高いシステムであった。
そしてこの2号機は、UC0079 12月中旬ジオン軍のパイロット「ニムバス・シュターゼン」により奪取される。
ブルーディスティニー3号機
3号機は本来、1号機と2号機の予備機として位置付けられていた機体だ。本来はパーツ取りに使用される想定がされていたが、ニムバスの2号機奪取を受け前線に投入される。
問題はこの時点でクルスト博士が殺害されている点だった。EXAMシステムはブラックボックスとされている部分が多く、クルスト博士でなければ大きな改修ができない。
そこで3号機には1号機と同様のリミッターがかけられ、ユウ・カジマの手に渡る。そして2号機の奪還へと向かった。
結果として2号機・3号機とも大破。特に頭部は修復不可能なほど損傷しており、EXAMシステムの歴史に幕を下ろした。
まとめ
今回はEXAMシステムについての解説でした。ポイントを振り返っておきましょう。
- EXAMシステムとは対ニュータイプ兵器の一つ
- 通常のコアユニットと、試作量産型のオルタが存在した
- EXAMシステムはブルーディスティニーの頭部に搭載されている
- EXAMシステムにはマリオンの感応波が使われている
今回の記事は「マスターアーカイブ モビルスーツ RX-79BD ブルーディスティニー」を参考に執筆させていただきました。
今回参考にした設定資料
設定の細かさ
情報網羅性
周辺情報
ニムバァス
かなりコアな設定と、HADESシステムについても記載されているためより詳しいことを知りたい方にはオススメの書籍となっています。
また、このブログではガンダムに関する解説を多く掲載しています。サイコミュに関連する記事も多く公開しているため、「仕組みや設定が大好き!」という方はぜひご覧ください。
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