サイバーパンク2077

合衆国の歴史〜崩壊かと第四次企業戦争〜【サイバーパンク2077解説】

今回は合衆国の歴史を紹介していこう!

崩壊-コラプス-

旧合衆国の崩壊、21世紀最大の事件の一つだ。

1990年代から2016年にかけて、第一次~第三次までの企業戦争が行われ、世界の大半の政府は機能を失っていった。それは、世界最大規模の軍力を誇るアメリカ合衆国も例外でなく、世界の中心は企業に推移する。

さらに、開拓により森林が減少、酸性雨と砂嵐がアメリカを襲ったことも崩壊の原因の一つだ。そこに中東で行われた熱核戦争による放射能汚染、世界的な石油危機が起きた。

世界規模の金融破綻が起きて、どこの国の経済も揺らいだ。そんな中、4つの政府機関からなる「四連(ギャングオブフォー)」は政変を企て、連邦民主主義は終焉を迎える。多くの州が連邦を離脱したことで、今の形になった。各地域については別の機会にお話ししよう。

この頃、新たな階層としてノーマッドが生まれたんだ。

第四次企業戦争

第四次企業戦争は大きく3つのシーズンに分かれる。

1.海洋戦争

2.影の戦争

3.武力戦争

アラサカとミリテクがぶつかり、結果としてミリテクの勝利に終わった。では実際どのような戦いが行われたのか、それぞれ見ていこう。

海洋戦争-オーシャンウォー-

2021年後半、企業戦争の中でも、大きな分岐点があった。それが、第四次企業戦争だ。原因はCINO(国際航空・海洋会社)とOTEC(海洋技術・エネルギー会社)という海洋開発企業2社だった。

引き金となったのは、経営破綻したIHA(国際商船会社)の資産の獲得を巡り争いがスタート。OTECはミリテクに警備を依頼し、CINOはアラサカと契約を結んだ。現代まで爪痕を残すこの戦争は別名「海洋戦争(オーシャンウォー)」と呼ばれた。

現代でも残るバリケードは、この時代の戦争の名残だと言われている。

影の戦争-シャドウ・ウォー-

そして、戦争は新たな局面「影の戦争(シャドウ・ウォー)」に突入していく。第四次企業戦争第二幕の開始だ!

ミリテクとアラサカは両者傭兵とエッジランナーを雇い、隠密作戦や奇襲作戦など、物理的な正面衝突を避けた戦いを繰り広げていた。影の戦争一番の被害者は旧時代の「ネットワーク」だろう。

それぞれのネットランナーが、過激なウイルスプログラムをネットに放ち続ける。ご想像の通りネットの広大な領域は修復不可能になり、危険地帯となった。

そしてミリテクとアラサカは同時に思う。「もはや繊細で緻密な作戦は必要ないだろう」

武力戦争-ホットウォー-

さていよいよ第三幕、「武力戦争(ホット・ウォー)」の開幕だ!正面衝突を避けていた影の戦争とは反対に、武装した企業による全面戦争、それが武力戦争だった。

各都市にも被害が及び、世界貿易は麻痺、それに乗じて海賊が蔓延る海。サーバーとデータバンクが破壊され、未だ生き続けるウイルスと凶悪なデーモン級プログラムにより旧時代のネットは死を迎えた。

さて、ここまで紛争を繰り返すと何を思うだろう。そう、嫌気が差す。ナイトシティにはアラサカ・タワーというアラサカの本拠地があったが、テロリスト「アトランティス・グループ」の核攻撃により跡形もなく吹っ飛んだ。ジョニー・シルヴァーハンドは首謀者だった、という噂もあるが、死人に口無し。今となっては根拠の無い噂話だ。

日本政府からの圧力に負け、アラサカは2023年末、敗北を認めた。第四次企業戦争はミリテクの勝利となるが、想像通りミリテクも消耗し切っている。

そして世界は、戦後に突入していくんだ。

次回の記事はコチラ

合衆国の歴史No.2〜戦後から現代まで〜【サイバーパンク2077解説】

続きを見る

参考文献

Marcin Batylda.ワールド・オブ・サイバーパンク 2077,株式会社誠文堂新光社,2021年

ワールド・オブ・サイバーパンク2077

ゲーム開始前の歴史がわかる

テクノロジーがわかる

設定画は掲載されていない

kindle版あり

[Marcin Batylda, 江原 健, 西尾 勇輝]のワールド・オブ・サイバーパンク2077 (G-NOVELS)
9

世界観の

掘り下げ

8

解説の親切さ

6

イラスト数

4

値段

 

 

  • この記事を書いた人

moebito

ゲーム等オタク趣味を追い続けて約30年。手持ちの設定資料集は50冊を越えました。そんな設定大好きなオタク「もえびと」が作品の解像度をちょっとだけ上げる情報をお届けします。

-サイバーパンク2077